インドではお馴染みの移動方法、列車に揺られ、やってきたのはジャイプルへ!
首都デリーの南西約260kmに位置し、ラージャスターン州の州都である。別名ピンクシティーと呼ばれ、アンベール城やハワーマハルなどの美しい建造物の数々を有することで知られている。
嘘つきアリ君と一日観光へ!!!

ジャイプルの嘘つき。
ジャイプルの鉄道駅で待ち構えていた、若いリキシャのドライバー。名前はアリ君!
パチパチパチパチ~。
今回は、そんな彼と終始揉めながらジャイプルの観光をした、微笑ましくないお話である。
プロローグ。
前日の夜に出会い、価格交渉をしたアリ君。ちょいと割高だが提示してきた500ルピーで手を打つことにした。そのかわり、行きたくもない土産屋などに連れて行くのはNGと約束。
そして朝9時半、リキシャで迎えにきてくれたアリ君。
さっそく、横に知らないインド人乗っけてくる。
ので、文句を言う。
しかし、そのおっさん曰く、「アリ君とは君と同じように駅で3日前に会ったばっかりなんだ。俺もデリーからちょっとした用事でここに来ていてね~。今日はアリ君が日本人を案内すると聞いて、どうしても一緒に回りたくて。ダメかな?」と。
こういう嘘つきの扱いが難しい理由はただひとつ。
もし本当だったら申し訳ないな~という、日本人の血が僕の奥底で騒ぎだすことだ。
ということで半信半疑ながらも許可を出し、アリ君と今日のルートを決める。
僕としては定番アンベール城と階段状の井戸が見られれば良かったので、あとは君がお勧めの建造物一日コースを組んでくれとお願いした。「任せとけ!」と、良い返事をくれるアリ君。
任せたこと、今でもしっかり後悔しているよ!
ということで早速遠方のアンベール城へ!と行きたいところだが…。

事前にやってこいよと疼く、僕の日本人脳。まあ、いいんだけどさ。
ということでまずはガソリンを。
今思うとこれもすべて、もう一人のおっさんと話をさせる時間を作るためのものだったんだろうな~。マジ思考がゲスい。
はじまりの嘘~インドの結婚式に招待してくれたおっさん編~
ということでこれが横に乗ってたおっさんのスペックだ(自称)。
- 34歳、自称ミュージシャン。
- 自称実家がブッダガヤで飲食店を3店舗経営しており、自称お金持ち。
- ジャイプルには自称明日行われる、自称従妹の結婚式に出るために自称やってきた。
等々。
そしてチャイを飲みながら。今までの嘘の伏線を見事に回収するぼったくりを繰り出す、おっさん!

(うん、それはちがうよ、おっさん。)

(いや、この流れ…。いやだよ、おっさん。)
えーと、

だから日本人の君が来ても問題ないし、サプライズになって、きっと従妹も喜んでくれるのさ。
(絶対うそじゃないか、おっさん。さっきまで楽しくしゃべっていたのは、このためだったんだな…。)
ありがたい誘いだけど、お金ないから無理なんだ。ごめんね。

(なんだと、タダだと、おじさん。さっきまでの話本当だったのか!)
や、宿とか、ご飯は!

(ぐぬ、だいぶ、怪しい。が、条件は決して悪くない。最悪の場合でも、インドだし殺されることは考えにくい。それにもし本当だったら…インドの結婚式はがぜん興味がある。これは探りをいれねば…。)
でも、やっぱりまだ不安なんだよねー。

それに3日前に知り合ったアリ君も行くんだよ!だからみんなで一緒にいこうじゃないか!
(こいつ、宗教という禁断の果実にあっさり手を出しやがった。さすがにこれで嘘はないかもしれない…。)
じ、じゃあ、行ってみようかなー。

この3人で割り勘で行こう!そこだけはお金、出してくれよな。もちろん、アリ、お前もだぞ!笑
(僕はおっさん、あんたを信用したい!それに結婚式見てみたい。頼むぞ!)
もちろんさ、一人いくらだい。

シンプル大ウソつき!
徹底した嘘~結婚式まじでもったいない編~

分かりやすいオチを用意してくれたおっさん。
それなら行かないと言ったら、タクシー代のはずなのに値下げしてくれる優しいおっさん。
正式に断ったら、10バーツのチャイ代すら僕に払わそうとする自称金持ちのおっさん。
一緒に回ることを楽しみにしていた設定を捨て、そのまま去っていたおっさん。
そんな、おっさんと別れ、確実にグルであったアリ君と二人でいよいよ観光へ。
いや、分かる。本来ならここでアリ君とはしっかり別の道を歩むべきだった。
しかし、あまりにも彼が堂々としているもんだから。もしかしたら彼は関係なかったんじゃないかとすら思ってしまうほどに。だからズルズルと関係を続けてしまったんだ…。
ということで、さっそく彼に聞いてみた。


本当にまあ、ドラマばりにしっかりした時系列。



もったいないよ。どうだい、お願いしてあげようか?
うん、こいつも嘘つき確定だな。
性欲の嘘~日本人を抱きまくる編~
その後、遠方にあるアンベール城に向かい、オートリキシャを揺らすアリ君。
その道中の会話といえば。ひたすらに下ネタばかり。
ほかの観光客はこんな会話を楽しんでいるのか?と疑う。低俗すぎやしないか。
しかし、彼から溢れる圧倒的な自信に圧倒される。やはり、男は堂々と立ち振る舞いさえすれば、クズでもどうにかなるようだ。

抱いてない。

いや、嘘つけ。

………。




いやー、大胆なウソ。
地味な嘘~合理的で有意義な時間を過ごすため編~

そんな、クソみたいな話を聞かされながら30分。ようやくアンベール城に!

いや、でもこの写真の場所見たいし。
これは入場料かかる場所でしょ?

奥は、本当にしょうもないんだ。だから行く必要はないよ!
じゃあ、無料で見れる場所だけにしようかな…。

わかったよ!
ということで階段を登る。


しかし、ある意味当たり前なのだが、アリ君に見せた写真の場所は有料エリアで、しっかりと入場料を払い中へと進む。
待ち時間を短くしたいがための嘘。ホスピタリティーという概念は彼の中に1ミリも存在しない。
嘘にひたすら翻弄されているが、肝心のアンベール城は素敵だった。
タージマハルしかり、インドの建造物の装飾はものすごく美しい。



ということで、1時間半後に待ち合わせ場所に戻り、文句を言うが、ごめんごめん知らなかったっと。
ここまでのメンタルをどうやって鍛え上げたんだ、アリ君!ある意味すごい才能だぞ、これは!
ただ、いい加減にはしろよ、てめえ。
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