早朝4時。今日は屋久島のメイン縄文杉に向かう。

それにしてもまあ、眠い。低血圧を言い訳に生きてきただけに寝起きは頭が働かない。
しかしバスの時間も迫ってきたため眠っている頭を無理やり起こし、準備のため電気をつけた。そして横で眠っていたスイス人から「Light!」といういらだち100%のメッセージをいただき、無言で電気を消し、いそいそと宿を出発。冷めきった夫婦関係ってこんな感じなんだろうか…。

屋久島縄文杉

5月の屋久島はまだまだ涼しい。安房(あんぼう)という町からバスを乗り継ぐこと約45分、まるでジブリの世界のような、トロッコ道が森へと吸い込まれていく荒川登山口にたどり着いた。

ゴールデンウィーク明けということもあり、かなり人数は少ないらしい。登山届もささっと記載して、さあ出発。

木々と苔の深い緑。朝露。川の音、自然の音。グネグネと山を駆け回るトロッコ道と古い足場板!
そして、とにかく人がいない。登山口でみんなが頃合いを見計らって入山していくためなのか、前を見ても後ろを見ても人がいない!社会不適合者のような発言になり恐縮だが、この自然の中で人の気配を感じなくて済むって最高である!!!

もちろん休憩所やツアーのお客さんを追い抜くことはあるけどね。

出発して1時間程度。トロッコ道はまだまだ続く。道の岩肌に建てられた「崩落注意」の看板に、この距離でどうやって対処しろと?などと軽口たたきながら、鼻歌歌ってみたりして。

そう、僕は完全に屋久島を舐めきってしまっていた。なんの下調べもせず、地図すらもたず、電波の入らない携帯だけ持って…。そもそもスニーカーですから足元。まわりがパタゴニアだノースフェイスだアウトドア武装かましている中、ユニクロですから服。

そうこうして2時間かけてなだらかなトロッコ道を上りきる。なんだかんだ足が痛くなってきた。そしてここで屋久島というものをやっと知ることになった…。

そう、ここから縄文杉までの道のりがこのコースの本番だったのである。まさに急こう配、険しい山道!近くで休憩していたガイドさんがツアー客に「いいウォーミングアップができましたね。いよいよ本番、ここから往復で4時間ですよー」と声をかけている。…いやもう足若干痛いんだけど…。この道を2時間かけて上って2時間かけて戻ってきて、さっきのトロッコ道をまた2時間引き返すのかと考え始めると嫌になってきた…。

装備は不十分。メンタル低下。しかしすでに2時間も歩き、入山協力費も払ってきたのだ。いまさらは引き返せない。
進む以外の入力キーが見当たらない、まるで架空請求サイトのような状態である。

そんな雑念を振り払いようやく上り始める。帰りのことを一旦頭から追い出してしまえば、すぐに楽しくなってきた!獣道のような登山道を進み屋久杉の木の根をくぐりぬけ、苔むした杉板を踏みしめる。

縄文杉へ向かう道には他にもウィルソン株などの名所が所々に鎮座している。スケールが大きすぎる世界を、のんびりとでもしっかりと前に前に進む。時々申し訳ない程度に看板が出てくるのだが、いったい縄文杉までどれぐらいかかるのかはさっぱりわからない。これ個人的に改善してほしい。

ようやく少しずつあたりが明るくなり始める。太陽が高く上り始めた、やっと朝がきた!普段ならようやく起きだす頃。健康以外のなにものでもない。だれか褒めてくれ…。
…もちろん誰も褒めてくれるはずもないのだが、縄文杉のほうから下ってきたおっちゃんが「あと5分や、がんばれ!」と心強い一言!!!おっちゃん、好きだ。

こうなれば限界を迎えていた足も軽やか。そして僕はようやくゴールである縄文杉にたどり着いた!登山口からの所要時間3時間45分!こんどこそ誰か褒めてくれよ!

肝心の縄文杉はというと、うーん。もちろん大きいし迫力はある!
でもこれまでと違い周りが整備され、まったく近づくことができず遠目に見るだけ…。

それぞれ感じ方は違うので深くは言及しないが、個人的に屋久島は雰囲気を五感を駆使し体いっぱいで感じる場所だと感じた。

ということでその後はきちんと4時間かけて下山しました。疲れたが屋久島の魅力を吸収できたのではないだろうか。余談だがあの山道を途中まではトロッコで、その後は人力でトイレ等に使う水を運搬する仕事があるそうだ。いや、どうかしてるぜ。

次は苔生す「もののけの森」で有名な白谷雲水峡へ!

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大学中退後、フリーランスのデザイナーとして活動。25才の時に1年間、世界一周旅をスタート。訪問国50ヶ国。 趣味は旅、お笑い、アウトドアなど。自由気ままに記事を執筆しています。